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 16世紀後半のイタリアを中心に世俗的な形式の詩と音楽が結びついた宗教的な歌が独自の文化として発展しました。このジャンルは教会の典礼では使用されず、貴族や知識人の集う私的な集まりで演奏され、「宗教的なマドリガーレMadrigale Spirituale」、「宗教的なカンツォネッテ Canzonette Spirituale」というタイトルがつけられました。

 本公演ではそのようなジャンル中心に、特に聖母マリアやマグダラのマリアが歌われた曲に焦点をあて、マリアがイエスを目の前にして交差するさまざまな心情を吐露する音楽を集めました。

 プログラムの曲間にフランチェスカ・カッチーニの「やさしきマリアさま」という歌曲をそれぞれの器楽奏者が演奏することで、マリアの苦しみに浸った聴衆も一瞬の安らぎを得たことでしょう。

 17世紀の初期バロックと呼ばれる時代、イタリアの作曲家達は、ルネサンスの詩人フランチェスコ・ペトラルカの代表作「カンツォニエーレ」で詠まれた女性ラウラへのソネットに、こぞってモノディ様式や多声音楽のスタイルで曲を作りました。またこの時代には同時代に活躍した詩人達の作品から、のちにオペラに発展する音楽劇や膨大な声楽作品が作曲されました。

 この時代には器楽曲も盛んに作られるようになりますが「器楽は人の声を模倣する」ことが理想とされ、器楽であってもあたかも歌手が歌っているかの如く演奏することが求められました。

 この公演では「詩」を題材として作られた曲を中心に、「詩」に実在する「言葉の響き・リズム感・快さ」を「音楽」で表現して皆様にお届けします。

​プログラム

シンフォニア 第8番 (S.ロッシ)

聖母の嘆き「悲しみ母は立ち尽くす(G.F.サンチェス)

「やさしきマリアさま」より (F. カッチーニ

宗教的なソネット(G.フレスコバルディ)

フレスコバルディのアリア(G.フレスコバルディ)

元后あわれみの母 (C.モンテヴェルディ)

​聖母のミサの前のトッカータ(G.フレスコバルディ)

聖母の嘆き アリアンナの嘆きによる(M.モンテヴェルディ)

「やさしきマリアさま」より(F.カッチーニ)

イエス、眩き王(G.フレスコバルディ)

来たれ、みな水に来たれ (C.モンテヴェルディ)

半音階によるファンタジア(D.カート)

子守唄による宗教的カンツォネッタ

「ほら 寝んねしなされ」(T. メールラ)

「やさしきマリアさま」より (F. カッチーニ

​プログラム

〈ペトラルカの世界〉

ラウラのシンフォニア (原曲 M.ダ・ガリアーノ 上野訓子編曲)

散りばめられし詩韻の音 (S.ディンディア)

天空のいずこにて (J.ペーリ)

若い天使が (L. マレンツィオ 上野によるディミニューション)

ひがな一日うち泣きて (G.カッチーニ)

ひがな一日うち泣きて (C.デ・ローレ上野によるディミニューション)

美しき乙女よ (M. ダ・ガリアーノ)

クロリンダのヴォルタ (M.ペゼンティ)

友よ、あなたの勝利です (S. ディンディア)詩/ T.タッソ

麗しいアマリッリ ( G.カッチーニ 上野によるディミニューション)

麗しいアマリッリ (G.カッチーニ)詩/ G.B.グァリーニ

西風が戻り (C.モンテヴェルディ)詩/ O.リヌッチーニ

パッサカリア (G.カプスベルガー 佐藤によるバリエーション)

ニンファの嘆き (C. モンテヴェルディ)詩/ O.リヌッチーニ

 Piangete occhi (2024年公演)
瞳よ 涙を流せ 
〜17世紀イタリアの宗教的な歌〜 
Poesia Amorosa (2023年公演)
イタリアの詩人と17世紀の音楽

​アンサンブル・ポエジア・アモローザ

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